人口を予測すること

人類は増え続ける?

一昔前、中国やインドを指して「人口爆発」という言葉がありました。また漫画「寄生獣」のように「増えすぎた人類は悪影響」といった芸術作品もありました。

でも実際のところ人類って増え続けているんでしょうか。今後も増え続けるのでしょうか。今回は国連が2年ごとに発表している人口に関するデータ「World Population Prospects」をベースに人口推移について記してみたいと思います。

過去の人口推移

まず過去の人口推移です。

世界の人口推移(〜2020年)

綺麗な右肩上がりで増え続けてます。ブルゾンちえみの「35億」は2010年頃です笑。

地域別に見ると過去70年はアジアの伸びが最大です。今では世界の半分はアジア人です。アジアの中では中国とインドが原動力です。

アジア圏の人口推移(〜2020年)

未来の人口予測

され、2020年まではアジアの時代でした。今後はどうなるのでしょう。前述の「World Population Prospects」の2100年までの予測です。

世界の人口予測(〜2100年)

2060年あたりに100億人を超えますが、その後の人口増加は止まること、またアジアに替わってアフリカが伸びることが予測されています。アジア圏、アフリカ圏の国別予測は以下です。

アジア圏の人口予測
アフリカ圏の人口予測

2030年までにはインドが中国を抜き世界一の人口になります。また2100年頃はナイジェリアが7億人クラスになることが予想されてるんですね。

人口の予測とは

ところでこの人口予測ってどうやって算出してるのでしょうか。実は新聞などで載っている予測値は以下の3つの推計を行ったものの中間値となります。

出生率死亡率移民
①中位推計
②高位推計高(①より0.5人多い)
③低位推計低(①より0.5人少ない)

出生率が多いシナリオや少ないシナリオもあり、仮定より0.5人多いと2090年頃に150億人超えますし、逆に0.5人少ないと90億人くらいで頭打ちとなります。2100年時点では80億人くらい幅があるわけです。けっこうガバガバ予想ですね笑。

出生率

出生率とは1人の女性が15歳から49歳までの間に何人の子を産むかを表すものです。合計特殊出生率とも呼びます。

男女比を1:1と仮定したとき、出生率>2の場合は人口が増加し、<2の場合は人口が減少します(実際には15歳未満で亡くなる女性の存在、男性の方が多少人口が多いため2+αとなります)。

各国の出生率の1950〜2100の推移と予測は以下のとおりです。

どの国も出生率の低下=少子化が進んでいることがわかります。少子化は決して日本だけの問題ではないのです。将来はアフリカ各国を除く国の出生率は1.5〜2.0に収まる感じです。日本は現在は1.5を下回ってますが、徐々に回復していく予測になってます。本当かな。。

人口予測の要素

ただ、今生きている人類にとって必要な情報って長くてもこの先20〜30年間くらいの情報ではないでしょうか。積み立てNISAだって20年です。こうした比較的近い未来を考えるときは、出生率を予測する必要はあまりありません。なぜならば「人口モメンタム」の影響があるためです。

人口モメンタム

人口モメンタムとは現時点の人口ピラミッドの形の良し悪しからなる当面の人口増減傾向のことで、例えるならば惰性のようなものです。

例えば高齢化していない若々しい国の人口予測をするとき、以下のように考えることができます。

若い国の人口増減の様子

若年層が多いのでこの先50年くらいは人口が増えそうな雰囲気がしますよね。逆に以下は高齢化の進んだ国のケースです。

高齢化の進んだ国の人口増減の様子

出生率が少々上がったところで全体的には人口が減りそうな気がします。

このようにこの先50年先までの人口を考えるとき、出生率や死亡率と同じく(いやそれ以上に)人口モメンタムも重要となります。また人口モメンタムは出生率のように予測要素では無いのでまぁまぁ確実なのです。なお、移民の受け入れも国の人口に関係してきますが、予測より政治的な要素が強いため今回は割愛します。

各国の人口モメンタム

各国の人口モメンタムを見てみます。人口モメンタムは出生率を2+α、死亡率を現時点と同水準と仮定することで可視化できます。

人口モメンタムのみの人口推移

インドは若々しい国のため現在2.24の出生率を2に下げても、人口が伸び続けることがわかります。一方で中国は高齢化が進んでいるため出生率を1.68→2に上げても人口は失速し、インドに抜かれます。

グラフが見づらいので中国とインドを除いたバージョンを示します。

人口モメンタムのみの人口推移

米国・インドネシア・ブラジルは若々しい国であり、ロシア・日本・ドイツは高齢化の国とわかります。ちなみに日本は出生率を1970年代並みの2まで上げてたとしても人口は1億人まで減少します。仕方のないことですが。

各国の人口ピラミッド

最後に各国の人口ピラミッドの2020年と2100年の比較も載せておきます。

各国とも出生率は2未満の予測ですので人口ピラミッド上は高齢化します。それでも米国の人口ピラミッドは良い形を保っています。ちなみにロシアの人工ピラミッドってベビーブームがくっきり&男女の平均寿命が違い過ぎですね。

まとめ

今回は国連のデータを用いて世界的な少子化傾向や、出生率が少々変わったところで人口モメンタムの影響から50年先くらいの人口増減は変わらないことをご説明しました。とはいえ、出生率の傾向は国の活力そのものと思いますので、日本の出生率が上がれば良いなと思います。また出生率を比較的高く保っているアメリカは素晴らしい国と改めて思いました。

この人口推移や年齢構造が株価へどのように影響するのか、別の機会で説明したいと思います。

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